
京都大学の研究グループは、ハクサンハタザオという植物の花が、天気に合わせて向きを変える理由と、その詳しい仕組みを解き明かしました。
晴れた日には、花は太陽の方向、つまり上を向いて咲きます。これは、花の下にある茎の部分(花柄と呼びます)が、太陽の光の中の青色光に向かって伸びるためです。花が上を向くことで、ハチなどの昆虫(送粉昆虫)が花を訪れやすくなり、花粉を効率よく運んでもらって、たくさんの種子(タネ)を作ることができます。昆虫が活動しやすい、ある程度温度が高い昼間にこの動きが起きやすいことも分かりました。
一方、雨の日や、気温が低く青色光が弱い時には、花は下を向きます。これは、花柄が重力の方向に伸びるためです。実験の結果、花粉は雨に濡れるとすぐに死んでしまうことが分かっています。そのため、下を向くことで、雨粒が花粉に直接当たるのを防ぎ、花粉を守っているのです。
花柄の向きが変わる仕組みには、植物の成長を助けるオーキシンというホルモンが関係しています。花が上を向く時は花柄の下側で、下を向く時は花柄の上側でオーキシンの働きが活発になり、細胞が片方だけ伸びることで、花全体が曲がることが分かりました。
このように、花が天候に合わせて向きを変えるのは、「晴れの日は昆虫を誘う」「雨の日は花粉を保護する」という、植物が生き残るための賢く積極的な工夫(適応的な特性)であることが証明されました。
☑️オーキシン
オーキシンは、植物の成長をコントロールする「植物ホルモン」です。
この物質は、植物の細胞を長く伸ばす働きがあり、これによって植物全体が成長します。ハクサンハタザオの花が、天気に合わせて上や下に向きを変えるときも、オーキシンが花の下の茎の伸び方を調節しています。
●参照元:
天候に応じて花が向きを変える意義とメカニズムを解明 京都大学
