地球温暖化、実は味方かも?

地球温暖化の影響で、大気中だけじゃなくて海の中の二酸化炭素(以下、CO₂)も増えてきているって、知ってた?
一般的に、地球温暖化といえば生物の種類が減る(多様性の低下)など、マイナスの影響がよく知られているよね。
でも今日は、そんな地球温暖化が逆にプラスに働いて、気候変動を抑えるかもしれないという、ちょっと意外な研究のお話だよ。
え?プラス???…って、びっくりしちゃうよね。
二酸化炭素を食べる植物たち

植物が光合成をするために必要な材料のひとつにCO₂があるんだけど、海や空気中のCO₂が増えると、植物はどんどん光合成をして生態系全体の生産性が上がる可能性があるの。
つまり、植物がたくさんCO₂を吸収してくれれば、地球温暖化が少し緩和されるかもしれない、と考えられているんだ。
この現象を専門用語で「CO₂施肥効果」って呼ぶよ。ちょっとかっこいい名前だよね。
これまでは、研究室レベルの水槽を使って、海藻に高濃度のCO₂を与えて光を当て、光合成の様子を調べるという実験が中心だったの。
でも、そうした人工的な環境では、自然界に近い状況で高濃度の二酸化炭素がどんな影響を及ぼすのかまでは、よく分かっていなかったんだよね。
いざ現場で調査!本物の海!
広島大学の研究グループは、海底からCO₂が噴き出していて、高CO₂環境になっている場所に注目したの。
それが、東京都の伊豆諸島にある式根島の沿岸に広がる藻場なんだ。
これは、高濃度CO₂の環境で光合成がどう変わるのかを調べる絶好のチャンス!
研究チームはこの場所で、自然の海藻群集(海藻の集まり)がどれくらい光合成しているのかを詳しく調べたんだ。
調査では海底の一角を透明な容器で覆って光合成の様子を測定したり、 自然の海では温度・塩分・栄養分の違いで似た成分の水が集まって“水の塊”のように動くから、その影響もちゃんと考慮して測定を行ったんだけど…。

あれれ?予想外の結果が…

どの実験でも、光合成が特別に盛んになることはなかったんだ。
期待していたCO₂施肥効果は見られなかったという結果になったの。
さらに海藻には、CO₂を効率よく取り込むための特別な仕組みがあるの。
これは「CO₂濃縮機構(CCM)」と呼ばれる生理的プロセスで、高校生物で習うC₄植物が持つ仕組みと似た“パワフルな機能”なんだよ。
植物って本当に奥深いよね。
このCCMのおかげで、海藻は低CO₂環境でも光合成をガンガン行えるんだけど、 逆に高CO₂環境では、光合成が少し低下してしまうことが分かったの。
うまくいかないね…。
次の一手!
研究グループは今回の結果を受けて、さらに調査を続けていく予定なんだって。 将来起こりうる気候変動の“緩和効果”が、実際どれくらい期待できるのかを正確に見積もるために、地道に追究していくんだ。
こういう研究って、すぐに派手な成果が出るわけじゃないけれど、 これからの地球の姿を予測するためには欠かせない大事なことなんだよね。
海の動きも、海で生きる植物たちも、本当に奥深いね!

今回の光の技術
☑️CCM:Carbon Concentrating Mechanism 略して「しーしーえむ」
CO₂濃縮機構:Carbon Concentrating Mechanismといいます。この機能は、二酸化炭素をギュッと集めて、光合成を効率アップさせる仕組みです。
植物は光合成をするためにCO₂を葉の裏から吸い込みます。その吸い込みが強い植物には、CCMの機能を持っています。この機能があれば、低二酸化炭素の元でも光合成ができるのです。低二酸化炭素になりがちなのは、水中は二酸化炭素が少ない環境なので、このような機能を持ってると有利です。
また乾燥地帯など気孔を開けてると乾燥してしまうので、気孔を閉じがちです。
すると二酸化炭素濃度が引くなりがちになります。
どんな植物がそういう機能を持っているの❓
トウモロコシ、海藻、植物プランクトン、サトウキビ、ソルガム、ヒエ、ススキなど

●参照元:
【研究成果】海水の二酸化炭素濃度が増えても、藻場の光合成量は増大しない 藻場に頼らない二酸化炭素の削減が必要 広島大学
