
日本の研究チーム(NEDO、ATR、京都大学、産総研)が、「サイボーグAI」というAI(人工知能)を開発しました。
この「サイボーグAI」を搭載したロボットは、人がスケートボードをする様子をまねて(みまね学習)、人間と同じくらい素早く、俊敏な動きができるようになったのです。
この研究のために、世界初の特別な実験施設「ロボットスケートパーク」が京都府に作られました。
ここでは、人がスケボーをする時に出る「脳の波(脳波)」や「筋肉の電気信号(筋電)」、体の動きを同時に記録し、そのデータが、ロボットの学習に使われます。
ロボットは、人の動きをただ真似するだけでなく、自分自身の身長や重さを考えて、動きを調整しながら学びます。
その結果、転びやすい複雑なカーブ(複雑な環境)でも、人間がやるようにスラロームなどの難しい技を転ばずに成功させました。この研究は、人が運動する際の脳活動との関連を見つけることにも役立っています。
研究者たちは、このAI技術が進めば、ロボットが介護(お年寄りの手伝い)や荷物運びなど、色々な場所で人間を助け、協力して生活できる社会の実現を目指しています。
☑️ATR
ATRは「株式会社 国際電気通信基礎技術研究所」の略です。ここは、未来の通信や技術を研究する研究所です。京都府にあり、人がどうやって考えて動くか(脳波や筋肉の電気信号など)を研究し、「サイボーグAI」のような人と一緒に働くかしこいロボットの技術を開発しています。人がスケートボードをする動きをロボットに学ばせるための「ロボットスケートパーク」という世界で初めての特別な施設はこの会社の敷地内にあります。
☑️NEDO
NEDOは「国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構」の略で、日本の技術開発を応援する組織です。新しいエネルギー(太陽光発電など)や、日本の産業を強くするための技術を研究するのを手伝っています。NEDO自身は研究施設を持たず、「お金を出すことで」大学やATRのような研究所に開発をまかせています。ATRが行っている「サイボーグAI」の研究も、NEDOが委託した大きなプロジェクトの一つです。
●参照元:
サイボーグAIによる人並みの実時間運動性能を達成しました ―ヒューマノイドロボットが行うスケートボードの技の紹介― 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
